現代坐禅講義ー只管打坐への道

現代坐禅講義―只管打坐への道 現代坐禅講義―只管打坐への道
藤田 一照
佼成出版社 2012-07-24
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いつの頃からか、「手放す」が、私の人生の中の大切なキーワードになっていました。

断捨離のストイックなスパっとした感じとは違い、掴んでいたものからふと手を離す、こだわってきたものへのフォーカスを緩めてみる、これが自分だと思っていた自分からそっと抜け出してみる…そんな感じの「手離す」です。

30代半ば、ある日ふと気がつくと、努力して身につけ、手に入れてきたものが、蚕の繭玉のように織り重ねられていて、身動きがとれない状態になっていました。

なんとかこの状態から自由になりたいと思い、様々な模索を始めて、最後に辿りついたのが 「手放す」 ことでした。

そんな私が藤田一照さんの坐禅指導に惹きこまれたのは、偶然ではなかったと思います。

本書の著者で、私が坐禅指導を受けている藤田一照さんは、サンフランシスコ禅センターで曹洞宗の僧侶として、論理的な西洋人を相手に坐禅の世界をどう説明し、どう体感させるかを、長いこと模索し続けてこられた方です。

そんな一照さんの坐禅指導は、かなりユニーク。型から入る修行的な坐禅や、「思い」をなくそうなくそうとする努力をまずやめて、身体という大自然を信頼してみませんか、と一照さんは薦めます。

脳だけがアクティブになりすぎた現代人の私たちは、脳が作り出した 「思い」 に囚われ、日々四苦八苦しています。ならば、脳を静かにさせようと、脳でがんばるのではなく、脳以外の感覚器 「目 鼻 舌 耳 皮膚 身体感覚」をバランスよく開いた状態に身体を調えて坐ることで、脳の使用比重を少なくすると言うアプローチが有効なのではないか、と一照さんは説かれます。そうして見えてくる豊かでリアルな世界こそが、道元禅師が目指した坐禅に近づく道なのではないか。

本書では様々な分野のボディーワーカーの方との対談を通して、一照さんがたどりづいた新しい坐禅の世界が生き生きと語られています。

そして実際のご指導も身体をほぐしすボディワークをたっぷりしてから、静かに坐禅に入るご指導をされています。(詳しくはコチラ

先日参加したお話会では、脳以外の感覚を開くために必要なのは、まず「身体の感覚をそのまま感じて」、そのことを 「許す」 ことだと言うお話をされていました。

小さい頃から誰かの決めた基準や正解に、自分を照らし合わせて生きることを求められ、それが染み付いている脳や身体にとって、「自分の感受性で感じるままに」 と言うのは、かなり新しいチャレンジです。

機会をみつけては坐禅を家でもトライしますが、なかなかどうして、繊細な感覚を研ぎ澄ます努力と自分自身への忍耐強さを要求される、ビッグチャレンジです。

でも…ごく稀~にいい状態で坐れる時があります。

そんな時は、必要なものはもう充分この「素のままの自分」の中にあるんだなあ、新しいものを手に入れる必要も、自分以外の何者かになる必要もないんだなあ・・・そんな豊かな感覚と安心感で身体が満たされます。

もちろん日々の生活の中で、また様々な要求や欲求に翻弄されるのですが(笑)、ここに帰ってくればいいんだと言う着地点、ニュートラルな裸の自分に戻れる豊かな時間を、自らの身一つで作れることを知るだけで、安心して迷ったり、挑戦したり、失敗したりして、自分をバージョンアップしていける気がします。

先日のお話をいただいたのは誕生日の夜だったため、帰ってからの坐禅の時間は、自分への何よりのプレゼントになりました♪

坐禅に興味がある方だけではなく、身体や心と向き合う新しいアプローチを探していらっしゃる方にオススメの1冊です。

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