七夕と新月に願いを☆

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みなさま こんばんは。

今日は、七夕、そして、明日は蟹座の新月です。

もう満ちきった満月には、手放したいものを、ゼロから満ちていく新月には、願いを書き出すといいと聞いてから、毎月自分の心の整理もかねて書き出します。

今回のタイミングで浮かんできたのは、一編の詩でした。

詩の世界にはあまり明るくないのですが、10年前、銚子にある小さな喫茶店の壁貼られていた1枚の紙、そこに書かれていたこの詩にくぎ付けになりました。

 

汲む   ーY.Y.に

大人になるというのは
すれっからしになることだと
思い込んでいた少女の頃

立ち居振る舞いの美しい
発音の正確な
素敵な女のひとと会いました

そのひとは私の背伸びを見すかしたように
なにげない話に言いました

初々しさが大切なの
人に対しても世の中に対しても
人を人とも思わなくなったとき
堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを
隠そうとしても 隠せなくなった人を何人も見ました

私はどきんとしそして深く悟りました

大人になってもどぎまぎしたっていいんだな
ぎこちない挨拶 醜く赤くなる
失語症 なめらかでないしぐさ
子供の悪態にさえ傷ついてしまう
頼りない生牡蠣のようの感受性
それらを鍛える必要は少しもなかったのだな
年老いても咲きたての薔薇 柔らかく
外にむかってひらかれるのこそ難しい

あらゆる仕事
すべてのいい仕事の核には
震える弱いアンテナが隠されている きっと…..

わたくしもかってのあの人と同じくらいの年になりました
たちかえり
今もときどきその意味を
ひっそり汲むことがあるのです

没後7年経つ今も、根強いファンが多い茨木のり子さんの代表作の一つです。

身体も人生も、呼吸や潮の満ち干と同じで、一定のリズムを持っています。緩む時と引き締まる時と。凪の時ももちろんありますよね。

自分に厳しくなりすぎたときは、自分のありのままを受け入れて、等身大の自分に着地するメッセージや本が沁みます。逆につい緩みすぎて、感受性が鈍ってきた時は、よく研ぎ澄まされた力強い言葉、澄み切った清流の冷たい水を浴びるように目が覚めるような、そんなメッセージが欲しくなります。

私にとっての茨木さんの多くの詩は、後者になるのだけど、この 「汲むーY.Yに」 は、自己受容できるとともに背筋も伸びる大好きな詩です。

自分の星座で起こる今回の新月に、茨木のり子さんの詩を思い出しつつ願うことは・・・

いくつになっても、生牡蠣のような頼りない、傷つきやすい心をしっかり持ち続けられますように。

そして、その心をアンテナにして、これからもたくさんのいのちに触れていくことができますように。

そんなことを願いつつ、今日の七夕、そして、蟹座の新月を過しています。

みなさんも、素敵な七夕と新月を過してくださいね♪

ALOHA  MAHALO

 

 

 

 

 

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