奇跡の脳

奇跡の脳 奇跡の脳
ジル・ボルト テイラー Jill Bolte Taylor

新潮社 2009-02
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NHKでも紹介されたのでご存知の方も多いと思いますが、脳科学者であったジル博士が、自ら脳卒中を起こし、その発症から8年間に渡る回復までの素晴らしい記録です。

私が中でも感動したのは、論理的思考を司るといわれる左脳に損傷を受けてから数年間、右脳の世界=世界との一体感の中で生きていた博士が、徐々に左脳の働きを取り戻していく過程での葛藤の部分。

左脳の機能が目覚しく回復するにつれて、徐々にネガティブな思考やエゴの考え方も蘇って来るのです(この部分をとても率直に、そして、真摯に語ってくれています)。

その過程で、なんと博士は「もうこの思考はいらない」「この思考は、調和的な生き方に相応しくない」と自己選択し、そのネガティブ思考のループを自らはずしていくのです。

1日に何千回も、何万回も、自分を励ましながら。そして自分を信じながら。

人間の脳には計り知れない可能性があることを教えてくれると同時に、自分の意思の力で、思考のループを書き換えていくことができるんだ、ということ・・・つまり脳の中を、自分の力で、エゴや恐怖の世界から、ALOHAの世界に変えていくことができるということを教えてくれます。

博士の軽快な語り口調も合わせて、勇気とALOHAをくれる大好きな1冊です。


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