かたよらない生き方

かたよらない生き方―病気にならない免疫生活のススメ
かたよらない生き方―病気にならない免疫生活のススメ 安保 徹

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ALOHAな本の紹介のコーナーに、免疫学の本?と思われるかもしれませんが、最近の私のメガヒットALOHA本でした。

免疫学者として著名な安保徹先生が、研究者の眼を通して、バランスをとって生きることが科学的にもどれだけ大切かを分かりやすく説明してくれています。

先生の研究によると、そもそも人間の起源、私達の細胞の成り立ちそのものからして、バランスをとらずには生きていけないようにできているそうです。

解糖系生命体と呼ばれる私達のご先祖細胞は、地球にまだ酸素がない頃に生まれた細胞。それが20億年前に地球が酸素に満ちた星になっていったときに、生き残るために、酸素を使って生きるミトコンドリア系生命体を寄生させて、合体することで生き延びたそうです。

解糖系はどんどん細胞分裂をしたい細胞。でもミトコンドリア系は分裂を抑えようとする細胞。解等系は瞬発力の細胞、ミトコンドリア系は持続力。せめぎあう2つの生命体のドラマが、私達一人ひとりの、一つ一つの細胞の中で起きているといいます。

つまり若い頃は、解糖系が盛んに活動している状態、そして、70歳過ぎからは細胞分裂をせずにゆったり今ある細胞で生きるミトコンドリア系で生きる状態。

その間を生きる20代~70代は、その二つの矛盾し、せめぎあっている細胞たちのバランスをとりながら生きることを学ぶことが肝要だ安保先生は説きます。

バランス=ポノをとりながら生きることを、ハワイをはじめとするポリネシア文化では何よりも大切にしてきたそうです。あらゆる病気はそのポノが崩れたことから生じるとハワイでは考えます。

仏教でも、お釈迦様は中庸が一番大切なことを学んで悟りを開いたという話は有名ですが、科学の目で、細胞レベルから、私達の生活にポノがなぜ大切なのかを教えてくれる本書は、目からウロコでした。

ちなみに、精子は解糖系、卵子はミトコンドリア系。2つの相反する細胞が一つになることが、私達の生命の成り立ち。分かり合うのが難しい男女がそれでも惹かれあう意味、一緒に生きるヒントが垣間見られて、これまた目からウロコ。

ALOHAに生きることが幸せへの道であることを科学的に説明してくれている、安保先生のワンダフルな1冊。良若男女におススメの1冊です。

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