問い続けてー教育とは何だろうか

問いつづけて—教育とは何だろうか 問いつづけて—教育とは何だろうか
林 竹二

径書房 1981-04-01
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魂のロミロミだったのかもしれない・・・20年ぶりに林先生の著作を読み返して思いました。

学生時代、教職過程の自由研究で林竹二先生の世界に出会いました。当時、もう先生は他界されていたのですが、哲学者であり、宮城教育大の名物学長であった林先生は、子供たちの魂に寄り添い、揺り起こし、自己と向き合うきっかけを与え、魂の次元をあげていくのが教師の役割だ…と言う自らの教育哲学を実践するため、晩年になってから全国行脚授業を始められました。

先生の真実の言葉、子供達に寄り添う姿勢に深く感動したのを、今でも覚えています。

それから、就職や転職、結婚や離婚など、人生の様々な波を乗り越えて、昨年、ひょんなことから林先生の本と再会し、今改めてそのしごとの深い意味がわかってきました。

小学生でも大人でも、重い障害がある人でも、落ちこぼれと言う枠組みに入れられてしまう子供達も、みんな、内に学び(成長)への深い渇望があること。
真の学び(成長)とは、さびや垢のように、いつの間にかこびりついた先入観や価値観、思い込みなどに光をあてて、疑いをもち、丁寧に吟味し、自分にとっての真実を探っていく作業…葛藤の末のカタルシス(浄化)の過程だと、林先生は言います。

先生の授業を受けている子供達の内面に起こっていることを鮮明にうつした写真― 見とれてしまうくらい美しい子どもたちの表情 ―が、なにより先生のしごとがなんであったかを教えてくれます。

身体とエネルギーからアプローチし、積もったちりや埃を払い、クライアントさんの内にある自己治癒力を引き出すロミロミの世界観と、先生の哲学と実践は、形は違えど相通じるものがあり、林先生は哲学と教育で、数え切れない子どもたち、大人たちの魂のロミロミをされていたんだなあと思ったりします。

40歳の今、再び出あった林先生の言葉・哲学・思想に励まされ、家族や友人、クライアントさんのもつ内なる力をより信頼し、真実のニュートラルな自分で、身体に触れたり接したりすることができるようになりました。

絶版になっているものも多いので、機会があれば図書館で是非ページをめくってみてください。子育て、教育、全ての仕事の根っこにあるものを教えてくれる1冊です。

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