宮沢賢治イーハトヴ自然館―生きもの・大地・気象・宇宙との対話 ネイチャープロ編集室 東京美術 2006-08 |
今回の震災以降、多くの人が新しい暮らし方やエネルギーのこと、生き方を模索し始めて、いい時代が始まったなあと毎日嬉しく思っています。
21世紀的な新しい暮らしを考える上で、私の中で大切にしているキーワードは、「自然とのワンネス、大調和」。
30代前半に環境系のNPOで働いたこともあるのですが、このテーマは人類史上何千年もかかってなかなか答えが見つからないまま今日まで来ている、とても深いテーマであることをその頃痛感しました。
今は感性、体験、知性、魂の声、総動員で、毎日模索しています。
そんな中、この人ほど、自然と対話し、生き物同士の距離感、付き合い方、他の生物のいのちをいただいて生きることや連綿と続くいのちのバトンタッチの本質を、壮大なスケールで考えた人はいないのではと思う大作家、宮沢賢治が、多くのヒントをくれます。
小学校の時から大好きな作家ですが、賢治の創造力・空想力のスケールに追いつくのは、なかなか容易ではなく、眉間にしわを寄せながら読んだ経験があるのは、私だけではないのでは?と思います。
そんな賢治の世界を体験するのに、素晴らしい手引きとなるのがこの1冊、。
賢治の文章の抜粋と素晴らしい写真がみごとなコラボレーションを生み、賢治の体験していた自然との一体感=ワンネス=を私達に垣間見させてくれます。私達の創造力と空想力につばさをくれ、賢治の世界を自由に羽ばたくことが出来るのです。
ALOHAの考え方の基本は、人間をはじめこの宇宙の全ての存在、万物が呼吸でつながっている、というもの。その中で私達人類が、どれだけ自然に敬意を払いつつ、自然と共に生きる歓び(生も死も含めて)をもって生きられるかが、この地球を楽園に戻せるかの鍵だということを、今回のハワイ滞在で実感しました。
そんな、ALOHAの真髄を日本の岩手で感じ続けていた賢治の世界を、ぜひ美しい写真を通して垣間見てみませんか。
「・・・おお朋だちよ いっしょに正しい力を併せ
われらのすべての田園とわれらの全ての生活を
一つの巨きな大四次元の芸術に創りあげようではないか・・・
まづもろともかがやく宇宙の微塵となりて無方の空にちらばらう」
(宮沢賢治「農民芸術論概要」)より
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